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大切にしたくない会社

 ほんものの「ブラック」は、大学だったのである

 「日本でいちばん大切にしたい会社」の著者である坂本光司氏(法政大教授)は、人に対する経営を最重要視している。坂本氏の言ういい会社とは、人を大切にしている会社である。平均より高い賃金を払い、労働時間は短い。リストラはしないし、障がい者もたくさん雇う。
 そこで彼は、その著書の中で、経営の目的に、つぎの5つを挙げている。

①社員とその家族を幸せにする
②外注・下請企業の社員を幸せにする
③顧客を幸せにする
④地域社会を幸せにする
⑤結果的に株主の幸せ
 ・・・美しい言葉が並んでいる。

 しかしこれができるためには、それなりの利益を出せる会社でなければならない。この①~⑤だけで、直ちに会社に利益をもたらすことはあり得ない。従業員の待遇をよくし、モチベーションを上げても、それが利益に結びつくまでには時間がかかる。多くの会社はそれまで持たない。金がないのに従業員に気を遣いすぎ、会社を窮地に追いやり、自ら命を絶ってしまった経営者を何人も知っている。
 すべて、経営者の能力にかかっている。

 現実には優れた経営者は一握りしかいない。だから、並みの頭脳を持ったやる気のある経営者は、つい「ブラック企業」を目指す。あるいは「ブラック」と言われないよう、気を遣いながらなんとか経営をやりくりしている。

          怪しい

 では、ほんものの「ブラック」とはどこか。
 坂本氏は法政大の教授である。すなわち坂本氏の業績、多くの研究実績は、周囲の研究者や学生たちの協力に負うところが多い。その坂本氏は、学生たちに高給を払っているはずがない。むしろ多額の授業料を受け取っている。客観的に見たら、これこそ「ブラック」ではないのか。考えてみれば、すべての大学は同じような仕組みで動いている。

 お金を取って学生をこき使っている大学に比べれば、ユニクロやワタミなど可愛いものである。じつはほんとの「ブラック」は、大学だったのである。
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