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原因究明

 多くの場合、単なる相関関係であって、因果関係を証明することは不可能である

 工場で異常が発生した場合、徹底的な原因究明が求められる。トヨタの改善活動では、「なぜ」を5回繰り返す。巧緻な人はそのようにふるまってきたし、そう啓蒙している。生産活動だけでなく、日常生活でも同じである。
 
 しかし現実にはどうか。狭い経験だが、なぜを繰り返してもほんとの原因究明に至ったケースは非常に少ない。たいていの場合、わけがわからないうちに異常が無くなり、なにごともなかったように治まる。

 これは不思議なことではない。
 数年前、新型ボーイング787に積載されたリチウムイオン電池が、相次いで発熱したことがあった。これも結局、原因がわからなかった。それでも、想定される何百の事象にも対応して、さらに万一発火した場合にも被害がないような対策を取り、交通当局によって安全性が担保されたのである。
 すべての複雑な技術とはそういうものである。

 つまり世の中で、まったく同じ事象が起こることはほとんどない。構成物の素材やその組み合わせ、動作環境の微妙な揺らぎなど、分子レベルでみれば、無限の組み合わせがある。そのすべてを解明し、再現させることは不可能といってもよい。

 そもそも、現代科学で当たり前に行われていることでさえ、証明されているわけではない。竹内薫氏の「99.9%は仮設」でいろんな例が紹介されている。飛行機がなぜ飛ぶのかベルヌーイの定理では説明がつかないし、麻酔がなぜ効くのかもわかっていない。つまり飛行機は、「飛ぶから飛ぶ」し、麻酔薬は「効くから効く」のである。

 ファスト&フォローで指摘されたように、人々はなにかストーリーを作って、原因と結果を結び付けたがる。多くの場合、それは単なる相関関係であって、因果関係を証明することは極めて難しい。だから、すべては仮説なのだ。
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