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高齢者への延命治療

 75歳以上の老人には、一切延命治療をしない。これを法制化する

 臨床医の里見清一氏が、新潮45(27年11月号)において、今後の医療の在り方についての達見を披露していた。彼は臨床現場で働いているだけに、実際の医療現場で起こっていることが生々しく、現実味を帯びている。

 里見氏が強調していたのは、医療費とくに薬価の高騰が半端ではないということである。わずかでも効き目があるとされたもの、たとえば生存率をわずか上げただけで、薬価は10倍にもなる。高いものなら、一人当たり年間3000万円から5000万円かかる。まもなく1億円になってもおかしくない。いくら高額でも、日本の保険医療では患者本人の負担はわずかしかない。

 効かないのならまだいい。使わなければいいからだ。問題は、効いたかどうかわからないもの、そして明らかに延命効果があると判定されたものである。深刻なのは、(たとえ植物状態であろうと)それを延々と使い続けなければならないことである。薬のせいにすればいいため、医者の精神的負担は極めて楽になる。その代わり湯水のようにカネがかかる。

 半端な金額ではない。
 いま日本ではざっと毎年150万人が亡くなっている。もし一人一人の臨終段階で1億円かかるとすると、150万×1億円=150兆円。話半分としても70兆円である。気の遠くなるようなコストが余分に必要となる。

 これだけのお金がどこへ流れるのか。TPPでアメリカが薬の特許に執拗にこだわったのはなぜか。アメリカの標的は金持ち日本であり、なかでも65歳を超えて高齢者入りした我々団塊の世代である。
 これが現実になってくると、日本の財政赤字はギリシャと同じ問題を抱え、大勢の若者や子供が犠牲になる。日本はいま、その泥沼に入ろうとしている。

          無言の行 H26.9.20

 そこで里見氏は、素晴らしい提案をした(反対ばかりの評論家とは違う)。
 「75歳以上の老人には一切延命治療をしない」という法律を作ることである。憲法に明記してもいい。もちろん、苦痛を和らげたり、QOL(生活の質)を維持するための治療は行う。個人負担にして、金持ちに差をつけてはいけない。すべて75歳で打ち切りにする。それで恨みっこなしである。どうしても延命治療したければ、国籍を離脱して海外に行けばいい(金を置いて?)。

 これ以上ないアイデアである。そしてこんな法律を作れるのは、当事者である年寄だけである。この制度を実現した政治家は、日本を救った偉人として最大の栄誉を受けるであろう


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