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日本の納税者(27年12月3日)

 法学者は、日本人がもっと理解できる法律を作る仕事をしていただきたい

 いま消費税導入に関して、政府では軽減税率やインボイス制などを検討している。
 税金の計算は難しいだけでなく、ころころ変わる。こんなややこしいことを、税金を払う方に押し付け、足らなければ『脱税』だという。脱税といってもすべて解釈の相違である。サラリーマンは別として、100%まともな計算をしている人などいない。したがって、すべての人は叩けば埃が出る。

 その上日本の会社では、勿体なくも気の利いた人たちが金や税金の計算に関わっている。難しい試験を受けた会計士や税理士もごまんといる。何しろ、日本で税金を払っている会社の数は300万以上、税理士とその事務所の従業員はおよそ10万人。これだけの頭脳労働者が、しょうもない税金の計算をしている。
 何百万人もの頭のいい彼らが、もっと価値のある仕事をすれば、日本はもっと豊かな国になる。農業や建設業、介護や医師などの人手不足も、解消される。移民の話など吹っ飛んでしまう。

 なぜ税金の計算はややこしいのか。
 わざと難しくして、財務省が目星をつけた人をいつでも罪人にできるからだという人がいる。どんな人でも税務査察には太刀打ちできない。だから財務省は、総理大臣よりえらい。

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 そしてもう一つ、税法そのものがわかりにくい。専門家である税理士さえ、直接税法を読んでいる人は少ないという。
 なぜわかりにくいのか。

 三木義一氏(青学教授)の「日本の納税者」には、その税金を払う立場から見た問題点がうまく指摘してあった。ポイントはこの中の④である。

①日本で働いている人は6,000万人以上いるが、確定申告している人は2000万人、そのうち、意識して税金を払っている人は、200万人ぐらいである。
②政府は、複雑難解な税制度を作ったあげく、その納税者に計算させ、間違えると加算税をとる。納税者は踏んだり蹴ったりである。
③税務署と争って負けると、その間の加算税をとられるから、争わない納税者が増える。
④税法に限らず法律がわかりにくいのは、わかりやすさより厳密さを追求し、その方が当たり前になったからである。わかりやすい文は、立法技術上の「伝統」に抵触するため、内閣法制局を通らない。・・・こんなおかしな慣例がある。
⑤税本の専門家である税理士さえ、条文は見ていない。胡散臭い税理士も相当いる。
⑥日本の税負担率は、所得が1億円を超えると大きく下がる。100億円の所得者でも13%しかない。株式譲渡の占める割合が多くなるからである。
⑦そのうえ、政治家に献金して税金をまけてもらう「租税特別措置法」というのがある。
⑧所得に対する国民負担率は、日本は40%で割と低い。ルクセンブルクやデンマーク、ベルギーなどは、60~70%あるが、社会保障が行き届いているので、国民の重税感がない。
⑨日本は、40%も税金を払っているのに、それほど対価を受けているという感じがしない。不公平感がある。

 税金の計算だけではない。あらゆる法律・規制がわかりにくい。
 日本で働いている人は、こんなややこしい法の下で仕事をしなければならないのである。法学者はお花畑の憲法論議を止めて、日本人が理解できる法律を作る仕事をしていただきたい。
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