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料理の順番(27年11月9日)

 お客が欲しいときに、欲しいもの(サービス)を提供することは、ビジネスの基本中の基本である

 ラーメン店の対応に腹を立て、店に約3時間居座った男が、「不退去」の疑いで逮捕された、というニュースがあった。なんでもギョーザとラーメンの順に提供するよう注文したが、ラーメンが先に出たことで店長と口論になり、そのまま店で3時間もクダを巻いていたそうである。

 ニュースの記事だけ見れば、居座った男の方に大きな非があるように見える。たしかにこの程度のことで、店に迷惑をかけてはいけない。多少のクレームはともかく、やりすぎはいけない。

 しかし、飲食店で出される料理の順番は、きわめて重要である。まとまった食事をする場合、順番が狂うと、その飲食行為そのものが台無しになる。
 このラーメン店客の場合も、先に餃子とビールで腹具合を整えてから、最後にラーメンで締めようと思ったのかもしれない。その場合、最初にラーメンを出されたら、その「計画」が水の泡になる。せっかくの食事の楽しみが無くなる。

 たいていの焼き鳥屋では、まずビールが出る。ジョッキ2~3杯飲んでから、やっと焼き鳥が食べられる。よほどのどが渇いているときでなければ、肝心の焼き鳥の味が半減する。普通の居酒屋でも、ビールや日本酒を飲んでしばらくして、やっと料理が出ることが多い。多くのお客は、この小さな不満が蓄積している。

 和食の会席料理では、酒、前菜、吸い物、刺身、焼き物、煮物、揚げ物、蒸し物、酢の物、ご飯とみそ汁、デザート、というように順番が決まっている。少なくとも、料理の後にご飯が出る。そのあとデザートの果物かお菓子である。食事するお客は、この順と容量がおさまるように、あらかじめ腹をリセットし覚悟を決める。酒はご飯とみそ汁が出る前に、いったん打ち止めする。この順番と分量が狂うと、まともな食事をした気になれない。場合によっては、悪酔いや下痢をする。

 これは飲食店だけではない。どのようなビジネスでも、お客が欲しいときに、欲しいもの(サービス)を提供することこそ、基本中の基本である。そのタイミングの重要性は、モノやサービスの価値を大きく左右する。
 ラーメン店の居座りお客は、逮捕というわが身を犠牲にしてまで、その重要性を教えてくれたのである。
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