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多段階構造からの脱却(27年11月4日)

 抵抗に勝てるだけの商品・サービス力があるか
 
 日本産業の生産性が低い原因の一つは、ややこしい多段階構造に陥っている業種が多いからである。
 たとえば日本の繊維産業は、卸業界と生産業界に分かれ、それがさらに業種別、業態別に細分化されてきた。また、生産業界と小売業界との間に卸業界が介在するという、世界でも独特の形態になっている。(欧米の企業では、生産企業がブランドをもって、小売企業と直接に近い形で取引しており、それを媒介する大規模な見本市も開催されている。)さらに、この商工分離の製造部門においても、織布、ニットがあり、たとえばニットでも横編ニット業界、丸編ニット業界、経編ニット業界などの分業構造を成立させてきた。
 福井の地場産業である眼鏡業界でも同じである。

 このきわめて複雑な多段階構造によって、消費者ニーズの情報伝達が遅くなったり、阻害されたりする状況が生じている。そのため、消費者ニーズに敏感に対応した企画、生産、販売が行えなくなり、在庫や売れ残りリスクが増大することになった。過剰品質によるロスも多い。個々の企業としては、これらのリスクを取引先に転化し、自らのリスクを軽減しようとするから、企業間でのリスク分担が不明確な状態が発生し、現実のリスクをも大きくしている。

 これが全体のコストを押し上げ、また、多段階構造であるため、各段階において機能の重複が発生し、そのためのコストも加わり、業界全体としてきわめて高コストで非効率な生産流通形態となってしまった。このことが、消費者に対する価値を創造する人材、技術、デザイン力の育成にも遅れを取ることになってしまった。

 意欲ある多くの企業はそれに風穴を開けようとしている。しかしそれには関連の中間業者など、多くの抵抗がある。個別企業にとって、この抵抗に勝てるだけの商品・サービス力があるかどうかが問われる。
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