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福島原発事故原因調査より(5月20日)

 「代替機能を確認しないで止めてしまうと大惨事となる」という福島第一原発の教訓は、まさにエネルギー政策にぴたり当てはまる 
 
 畑中洋太郎氏を委員長とする、「政府系事故調査報告書Ⅱ.5.(8)福島第一原発及び福島第二原発における事故対処の状況と比較 」を見た。もちろんこれは、膨大な調査報告書のほんの一部であるが、この事故原因についての報告内容には驚かされた。もしかしたら、福島第一原発での過酷事故は防げたかもしれないのだ。
 この項を見ると、同じような電源喪失被害にあった2つの原発で、一方は事なきを得たにもかかわらず、もう一方は大事故を起こしたいきさつが書かれている。

 まず、事故を起こした福島第一原発である。水素爆発を起こした1号機と3号機は、津波に襲われて電源喪失しても、ECCS(非常用炉心冷却装置)はしばらく作動していたという。しかし操作員は、それを止めてしまったのだ。このような場合、炉心を冷やし続けることは、なによりも大切だということはわかっていたが、異常を発見したため、手順に従ったのである。ECCSが止まっても、別系統の冷却水を注入できると、操作員は信じていたのだ。
 しかしながら、別系統での注水を試みるも、失敗。いったん止めたECCSが、再起動できなかったため、炉心が過熱して水素爆発を起こし、あのような大惨事に至ったということである。

 ここで、同じような状況にあった、福島第二原発ではどうだったのか。第一原発と同じように、異常を感じてECCSを止めようとするまでは、同じであった。ただ、ECCSを止める前に、別系統の冷却水が注入できるかどうかを、何回も確認したのである。ここに決定的な違いがあった。したがって、ECCSを止めても別の冷却水を注入することができ、事なきを得たのである。もちろん両原発では、電源喪失の程度が異なり、まったく同じことが福島第一でできたかどうかはわからない。

 しかし福島第一でも、第二と同じような確認作業をしていたらどうであろう。別系統の注水が確認できるまでECCSを止めなかったら・・。少なくともあとしばらく(数10分~数時間)は、炉心冷却をしていたことは間違いない。それがどれくらいかはわからないが、もしかしたら水素爆発は防げたのかもしれなかったのだ。

 なぜこんな重大なことが、問題にならないのか。じつは、ほとんど同じ失敗で炉心溶融してしまったのが、米国のスリーマイル原発事故である。福島第一では、あの米国の事故が、全く生かされていなかったことになる。非常に、歯がゆい出来事であるが、起こってしまったことは、もう取り返しがつかない。
 これからできることは、同じことを再度再度繰り返さないことだけである。

 では、この教訓は何か。
 「重要な機能を止める場合には、その代替機能が働くかどうか、きちんと確認しないと大惨事となる」、ということである。

 これはまさに、これからのエネルギー政策に当てはまる。すなわち、「次世代の主要エネルギー源が何か見極めないうちに、原発を止めてしまうと日本は大惨事になる」、ということだ。これまで、国内エネルギーの30%以上を占めていた原子力エネルギーが止まって、すでに2年たつ。貿易赤字の拡大など、そろそろ社会の軋みが顕在化している。これがあと数年も続いた日本は、想像するのもおぞましい。アベノミクスの効果も半減する。
 したがって、いわれなき「安心」を得るためだけに、原発再稼働を妨げる「愚」だけは、絶対犯してはならない。原発はあと100年、全力をあげて維持していかなければならないのだ。

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