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ベーシックインカムとは(27年10月7日)

 生活保護や高齢者の高額年金などの既得権が、この制度を採用する大きな抵抗になる

 ベーシックインカム(BI;基礎的所得)という考え方がある。原田泰氏(早大特任教授)等が提案しているもので、すべての人に最低限の所得を給付する。所得の低い人には負の税金を与えるという、フリードマンの「負の所得税」に近い。
 以下原田氏の「ベーシック・インカム(中央新書)」の抜粋である。

 いま日本の生活保護者が200万人を超えた。給付額は4兆円を超える(半分は医療費)。これも問題だが、それより生活保護以下の収入で暮らしている人は、その10倍以上いる。その中には、ワーキングプアと呼ばれる人も含まれる。

 また日本は、市場所得での相対的貧困率(真ん中所得の人の半分以下の所得しかない人)でOECD諸国で中位なのに、税や社会保障での修正後は最も低い国になっている。税や社会保障の再配分効果がないということである。日本の貧困対策が、仕事を与えて雇用を確保しようとしていることと、それが貧困者にいきわたっていないからである。

                       星となんとか H27.9.26

 そこで原田氏らの提案するBIは、すべての人にたとえば月額7万円(年間84万円)を給付する。また所得を得ている人にはもちろん課税する。その税率を一律30%とすると、すべての人の年間所得は(所得×0.7+84)万円である。もちろん、所得に応じて税率を変えたり、子供への支給額は3万円としてもいい。いろんな組み合わせがある。

 この財源として、公共事業や中小企業、農林水産業などへの補助金、基礎年金部分、もちろん生活保護費などをあて、税率や支給金額の調整で行う。原田氏の試算では、財源はなんとかなるらしい。

 このBIのメリットは
①生活保護や年金のように、働いた分大幅に減らされることがなく、勤労のインセンティブが働く
②生活保護受給者や年金受給者のような一部の不労所得者だけでなく、すべての人に平等に与えられる
②支給が一定程度以上になると、支給対象者を限定せざるを得ず、移民を制限できる
③夢追い人(ミュージシャン、アスリートなど)、や青春彷徨を後押しする
④すべての人の口座が明確になる(税のとりっぱぐれが少なくなる)
⑤無駄な事業をする必要が無くなり、行政コストが減る

 また原田氏は、BIに限らず多くの役所が行っている事業を廃止し、直接現金を渡したほうがいいという。たとえば、震災時の仮設住宅は1戸当たり30㎡で800万円もする。坪90万円という「高級住宅」で、しかも2~4年間しか住めない。4年にしても月17万円もかかるのなら、月10万円の家賃補助の方が、立派な賃貸し住宅に住める。保育施設では、一人の保育児に対し毎月20~50万円も支払っており、これも直接支給の方がいい。このような例は数多くある。

 こう考えると、BIは検討の余地があるのではないか。いまの生活保護制度や高齢者の高額年金をなくし、支給額を一律年間60万円ぐらいでもいいと思う。食べて寝るくらいなら何とかなる。

                    ハートの赤十字 H27.9.26

 しかし、社会的にはなかなか導入しようとする気運にならない。抵抗勢力が大きいからである。一つは、「働かない人に一律にお金を支給するのはおかしい」という、だれもが持っている「良識」。そして、メリットの「⑤無駄な事業をする必要がなくなる」のは、役人にとってみれば己の仕事を奪われることになる。
 この制度を阻む理屈は、いくらでもある。

 さらに実際に導入することになると、既得権益者である生活保護者や年金受給者の猛反対が起こる。結局、元の木阿弥になるのであろう。自分さえよければいいという、民主主義の弊害がここでも邪魔をする。
 こんなことでも、やはり破滅的破壊による「ガラガラポン」がないと、できないのであろうか。
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