FC2ブログ
RSS

中小企業施策のムダ(4月2日)

施策は集約化し、ムダ削減に強めるとともに、まず「伯楽」を育てなければならない
 

 今年度は、補正予算を含めて中小企業に対する施策が大幅に増えた。もちろん、各種補助金も増大している。ただ、予算の内訳をみると、細かい事業分野ごとに、それぞれびっしりと予算額が張り付いている。たとえば、経済産業省25年度予算案→中小企業対策費→重点化する分野の中項目(1)~(3)の中の、例えば、「(2)成長による富の創出」のなかに「①~⑤」があって、その中に「ⅰ~ⅴ」があり、例えば「ⅲ戦略産業の育成・社会的課題を解決するための技術開発」、その中にまた細かい分野がびっしり並んでいる。たとえば、「ロボット介護機器開発・導入促進事業23.9億円」、「福祉用具実用化開発推進事業1.0億円」などである。これらの項目が、数えきれないくらい、無数に並んでいる。これをまた、地域ごとに配分するのである。・・ここを読むだけで疲れる。

 
 ここで大きな疑問がある。これだけ細かく分類され、それぞれ微妙に異なる予算額が張り付いていて、過不足なく使い切ることができるのであろうか? できるはずがない。必ず、それぞれの分野ごとに余分か不足が生ずるはずだ。すべて予算通りに納まるということは、絶対にない。あったらおかしい。しかし不思議なことに、いつも最終的には、各担当者がつじつま合わせをして、ぴったりと使い切る。そしてそこには、膨大な無駄が発生しているのである。今年度に限ったことではないが、今年はとくに大盤振る舞いしている。

 
 では、これらの補助金予算を無駄遣いしないためには、どうしたらよいか。それは、予算の総額だけを決め、あとは内容に応じて都度配分すればいい(地方一括交付金のように)。平準化である。今のままでは、細かい縦割りによって、大きな無駄が発生するだけでなく、本当に必要な分野に助成が行かない。これは杞憂ではない。したがって予算の使い方について、省庁横断ぐらいの融通性を持たせるべきであるし、こんな時こそ行政の担当者は柔軟な対応をして欲しいものだ。単に右から左だけでは、それこそ「税金泥棒」である。またマスコミも異常である。各予算案件と金額がぴったり合うことこそおかしいのに、すこしでも要件を外すと大騒ぎする。典型は、復興助成金の流用問題である。

 
 一方、これらの助成を受ける中小企業者も大変である。これだけ細かく助成要件が決められていると、自分の案件がどの分野に該当するのかが分からなくなる。とくに新しい業態にチャレンジしようとする企業にとって、行政が勝手に決めた事業分野には、うまいことあてはまらない。新事業とは、そういうものである。まあ、そこへたどり着く前に、中小企業者にとって、屋上屋を架した助成制度は、何が何だかわからないと思う。それぞれ申請方法も異なるとしたら、もうお手上げである。

 
 そこで提案したいのは、10年以上前から制度として定着している「経営革新事業」の有効活用である。この事業は、とくに分野を定めず、企業が新しい事業に取り組む場合の計画を承認するものであった。ただ、この計画認定のメリットは、金融機関の内部稟議の助けになるくらいしかないため、申請企業数は頭打ちになっている。これを活用しない手はない。この事業を充実させ、計画の中で必要な資金を助成するのである。
 そしてその場合でも重要なのは、『伯楽』の存在である。有望な事業を生み出す「名馬」は、どこにいるかわからない。どこにでも、薄汚い格好で埋もれている。しかしそれを見つけて、金を生む「名馬」に育てる人材は、そうはいない。わが福井県でも数人いるかどうかであろう。そのわずかな『伯楽』となる人材を集約、育成するうえでも、補助事業の1本化は必要なのではないか。あれだけ細分化したら、『伯楽』も育たない。
スポンサーサイト



トラックバック
トラックバック送信先 :