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事業承継のために(27年9月15日)

 後継者を育てるという意識の重要性が、経営者の頭の中から後退している

 昨日、福井弁護士会主催の中小企業シンポジウム「中小企業のための事業承継」を聴講した。事業承継対策の重要性からその具体策や支援策まで、2時間弱のシンポジウムである。廃業者が増えた10年ほど前から、事業承継に対する関心が高まり、公的な支援策や士業を中心とした支援機関が増えてきている。

 シンポジウムは2時間足らずなので、一般的な話が中心であった。それでも一部、具体例な生々しい話も聞かれた。遺産分割や税負担の計算法、相続や贈与に必要な株式の評価法、経営承継円滑化法に係る納税猶予など、相続や税務に関するややこしい手続きの説明も聞いた。

             事業承継シンポジウムH27.9.14

 しかし、事業承継といってもきわめて幅が広い。経営そのものといっていいくらいである。したがって、単に法律や税務など、規則や数字だけで片付く問題ではない。これらは知らなければ大きな損失を被ることがあるが、決まったことを計算する人はいくらでもいる。

 ほんとに大切なのは、いわゆる知的資産といわれる無形の経営資源、たとえば信用、仕入先やお客とのつながり、人脈、組織運営、技術ノウハウ、従業員との信頼、組織風土などである。これを明らかにし、うまく継承していかなければならない。これは経営者にしかできない。さらに、経営者としての胆力など、簡単に伝わるものではない。

 昔から、経営者の最も重要な役割は、後継者を育てることだといわれてきた。これは永遠のテーマである。いくら名経営者でも、後継者がいなかったらその価値は激減する。どうも最近、経営者にその自覚が無くなってきたのではないか。皮肉なことにその原因の一つは、事業承継のための支援制度が充実したからだと思っている。
 子育て支援が充実するほど、少子化に拍車がかかるのと同じである。
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