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終戦の日(27年8月15日)

 ほんとうは、戦争に負けてしまったことにこそ「痛切な反省」をしなければならない

 毎年この日になると、「大東亜戦争は無謀な戦争であったのか」という問いが繰り返される。
 あの戦争で、日本人300万人が亡くなった。そのうち民間人が100万人。軍人においてさえ、戦闘で亡くなった人より、餓死した人の方が多い。負けたのはいいとしても、負け方が悪い。想定される中で、もっとも悲惨なシナリオであった。日本軍の戦略性のなさに腹が立つし情けない。

 しかし、もし日本が開戦に踏み切らなかったらどうか。もっと悲惨であったかもしれない。
 あの時日本は、ABCD包囲網で、完全に資源や食糧の輸入ができなくなっていた。つまり、日本に物資が全く入らなくなるのである。ホルムズ海峡封鎖の比ではない。
 生命線を絶たれると言うことは、大勢の餓死者が出るということである。300万人どころか、その数倍1000万人くらいになるかもしれない。これは決して荒唐無稽な数字ではない。

 そこから、ほんの70年前のことを思い出してほしい。海外との交易がほとんどなかった江戸時代である。
 この時代には、寛永、享保、天明、天保の大飢饉が起こっている。その他元禄の飢饉、宝暦の飢饉など、ほぼ2~30年ごとに飢饉があった。そのたびに大量の餓死者が出た。天明の大飢饉(1781~89)では、200万人もの餓死者が出たという話もある。江戸時代の人口が2500万人だから、その1割近い。
 この時代、子供を10人近く生んでいるにもかかわらず、人口がほとんど増えていない。大東亜戦争当時、日本本土の人口は約8000万人であった。つまり江戸時代には、(8000―2500=)5500万人が消えている。何もしなければ同じことが起こる。

 開戦当時日本は、台湾、朝鮮合わせて1億人の人口があった。少なくともその1割、およそ1000万人が餓死する可能性があった。日本の食料自給力が2500万人分だとすると、最悪の場合5500万人が餓死する。そう考える人がいてもおかしくはない。

 米国は、広島・長崎への原爆投下について、「原爆投下がなかったら、本土決戦で100万人の命が失われていた」と正当性を強調している。それなら日本は、「大東亜戦争に踏み切らなかったら日本人1000万人の命が失われていた」というべきである。100万人と1000万人、どちらの命が重いか明らかであろう。

 したがって反省しなければならないのは、戦争を起こしたことではない。負けてしまったこと、あるいは悲惨な負け方をしたことである。ほんとは、そこのところにこそ「痛切な反省とおわび」を行わなければならないのである。
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