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大前研一氏の論点(27年7月30日)

 「世間体」を気にすることなく、日本の未来は日本人だけで決めたい

 久しぶりに、大前研一氏の著作を読んだ。私が2~30年前、「ストラジックマインド」、「企業参謀」、「平成維新」などを読み、影響を受けたことがある経営コンサルタントの「神様」である。PPM(製品ポートフォリア分析)、KFS(成功の鍵)などは、現代でも形を変えて使われている。本棚を見ると、彼の著書が20数冊並んでいる。その切れ味鋭い文章と、いかにも自信たっぷりの提言内容に憧れたこともあった。

 ただ、この10年以上はほとんど、彼のまとまった著書を読んだことがない。大前氏のあまりに合理的すぎる考えが納得できなかったことと、彼の傲慢そうな態度や風貌に反発を感じたからである。
 
 しかし、大前氏が昨年発行した「日本の論点」を見て、彼の見識の広さにあらためて敬意を払うこととなった。なにしろ毎日、各国言語での記事を500本も読んでいるという。私が大前氏を「卒業」したと思ってしまったことが、恥ずかしい。
 
 「日本の論点2015~16」は、雑誌プレシデントに連載した記事をピックアップし、修正したもので、概要は次の通り。

①今の日本における最大の論点は、1000兆円以上もの巨大な国家債務である
②日本の活性化はオリンピックではなく、東京の東エリアの開発である
③優秀な企業の管理職の年収を上げなければ、海外を含め優秀な人材は得られない
④ネット通販では、「ポータル」、「帳合(代金決済)」、「物流」の3拍子が必要
⑤ソニーは過去の成功体験から抜けきれずに一人負けになった
⑥(タケダは)CEOを1年後に交代すると宣言。経営の選択肢を狭めてはいけない
⑦ゴーンとルノーは日産を食い物にしている。そろそろゴーンに引導を渡すべき
⑧日本の長期衰退を止めるには移民政策しかない
⑨日本のエネルギーは原発をベースにするしかない
⑩太陽光や風力発電をあてにするな
⑪電気自動車や燃料電池車は原発が稼働することが、実用化の必要条件である
⑫電力産業は、発電、送電、配電、原発事業の4つに分割する
⑬原発は輸出産業として育てる
⑭シェールガス革命で、日本の石油コンビナートは壊滅する
⑮集団的自衛権を行使してシリアに行くのか
⑯世界でもっとも好感度が高い国はドイツ
⑰ドイツは13の州の連邦制を採用しているから経済がうまくいっている
⑱ドイツの教育では、8割がた10代で進路を決める
⑲ドイツは過去の歴史や領土問題を蒸し返さないことで、周辺国とうまくやっている
⑳台湾の経済は中国より強く、中国との貿易協定で中国に負けることはない
21.中国のバブル崩壊を見据えて依存度を減らし、アジアの他の国とのバランスを保つ
22.韓国は「中進国」のジレンマに陥り、サムスンの成長神話も危うい
23.自民党の外交は、その場その場の属人的なもので、政権が変わると混乱する
24.靖国参拝の海外からの反応はすべて否定的
25.失言政治家は論争訓練が不足
26.世界には日本が好きな人は大勢いる。反日教育するのは、反日の火種を絶やさないため
27.北朝鮮が崩壊すれば、韓国だけでなく中国、ロシアが「植民地」として手を伸ばす

 20年前、大前氏の指摘はすべて感服していた。
 ところがいま、半分以上は納得できない。
 全体的に、大前氏はあまりにも外国を観すぎている。だから、日本のやり方について、「外国から見てどうか」ということばかりに力が入る。とくに欧米からの見方が多い。つまり「世間体」を気にしすぎる。もちろんそれも大切である。

 しかしもっと大切なのは、日本人自身がどうかということなのではないか。
 世界は広い。欧州は欧州、イスラムはイスラム、日本は日本である。日本独自の歴史や習慣、文明がある。海外を参考にするのはいいとしても、周りばかり見て自分たちの行く末を決めたのでは、後悔してもしきれない。
 日本の行く末は、まず自分たちで決めたい。
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