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森林大国ニッポン(27年7月19日)

 森林開発や木工製品に関する技術の蓄積を行っていけば、人口減となった日本でも、世界を相手に生き残っていくことができる

 昨日、「森林・林業の成長産業化」の可能性について」の講演を聞いた。
 いま日本全体の森林資源の蓄積は、およそ50億㎥。これが毎年、ざっと1億㎥成長する。年率2%である。植物は太陽と炭酸ガスで生育するから、化石燃料と違って尽きることがない。木材市場での杉の価格を1万円/㎥とすると、1億㎥で1兆円。何もしなくても、日本には毎年1兆円が転がり込む。素材で1兆円の価値があるのだから、やり方によっては、その10~20倍になる。

 したがって、日本の国土の67%を占める森林資源は、日本経済の重要な一角を占める。もし日本の人口が4~500万人しかいなかったら、これだけで充分やっていける。これは、フィンランドの人口に近い。

 原田泰氏の「ベーシック・インカム」によると、日本とフィンランドの森林面積もそれぞれ、2500万haと2600万haで同じくらいである。森林予算は日本が2700億円に対し、フィンランドはその1割しかない。そのくせ木材生産量は、フィンランドの方が日本の3倍もある。まさに森林立国である。

 ただ、人口の圧倒的に多い日本では、よほど管理された状態で森林伐採を行わないと、持続不可能になりやすい。需給のばらつきで価格が乱高下し、そこから過剰または過小伐採が行われる。
 そのうえ日本では、林業分野も複雑な「多段階構造」により、きわめて大きな無駄を抱えている。木材の生産プロセス(価値向上)が、植林、下草刈り、間伐、皆伐~土場、製材(プレカット)、工務店、ユーザーへと移行する中で、その間にいろんな仲買業者が入る。非効率きわまりない。1兆円がドブに捨てられている。

 したがって、森林大国日本がその力を発揮するには、日本の人口が激減する22世紀まで待たなければならない。もともと樹木の生産は、50年~100年単位の長期的視野でみるものである。  日本の森林産業 H27.7.18 腐ったベンチ H27.7.18  飲酒運転撲滅 H27.7.18

 それにしても、
 日本の森林は、いまでも日本人数百万人を養う力は十分持っている。現在非効率な業界であるということは、参入するものにとって、大きなビジネスチャンスである。

 たとえば、日本の森林が年間1億㎥成長しているということは、ざっと年間1億トンのCO2を固定化していることになる。この1億トンを100年使えるようにすれば、100億トンのCO2を固定化できる。日本全体のCO2排出量の10年分である。

 これに関して昨日の講演では、木材に耐蝕処理を施した「マーベルウッド」技術が紹介された。屋外で使用されている杭や欄干、階段、ベンチなど、腐食が速い木材製品を飛躍的に長持ちさせるものである。このことによって、日本の森林資源の付加価値を飛躍的に向上させると同時に、温暖化防止にも大いに貢献する。

 森林開発や木工製品に関するこのような技術の蓄積を行っていけば、100年後人口減となった日本でも、世界を相手に生き残っていくことができる。
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