カテゴリ: 中小企業施策のエントリー一覧
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ものづくり補助金採択における加点
客観的指標を重視するのは、事業内容をまともに評価できないから? 先周、ものづくり補助金第5次募集の採択発表があった。 いまは、ビッグな「事業再構築補助金」の陰になっているが、「ものづくり補助金」も並行してまだまだ続く。 採択状況をみるため、もの補助金サイトを見て、ショックを受けたことがある。サイト中「データポータル」の「加点項目の数」によると、加点項目がひとつ増えるたびに、大きく採択率が上がるの...
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事業再構築補助金
この1兆円余りのお金をめぐって、またぞろ魑魅魍魎がうごめきだす 経産省は、新型コロナウィルスの追加経済対策として、3月に公募する「事業再構築補助金」の概要を公表している。 総額1兆1485億円と、これまでにない大規模予算である。通常枠で最大6000万円、中堅企業を目指す会社は、1億円までの補助を受けることができる。経産省は、全国で55000件(1件2000万円?)の採択を予定しているという。福井県だけでも、およそ500...
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緊急事態宣言
感染対策の工夫が完璧なら、おとなしく時短の要請に従うことはない コロナ危機は、人々の知恵と工夫を生み出す絶好のチャンスである 年明け早々、いくつか大きなニュースが入っていた。 昨日アメリカで、不正選挙に抗議して議事堂に押し掛けたデモ隊が、警官に射殺されるという、米国版「天安門事件」が発生した。香港抗議活動と同じように、サクラの暴徒だったとも取り沙汰されている。香港の女神と同じように、トランプ...
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ものづくり補助金の採択結果
中小企業は、変化に対応できる臨機応変な「革新能力」も評価されている 先週、「令和元年度補正ものづくり・商業サービス生産性向上促進補助金」の第2次締切分の採択発表があった。 申請5721者のうち3267者が採択、採択率は57%とこれまでで一番高かった。コロナ対策のための「特別枠」の採択率が、70%近くあったからである。おかげで、「通常枠」の採択率が、約40%と厳しくなってしまった(それでも40%。それよりなぜか福...
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GoToキャンペーンへ期待
ただお金を配るだけでは、くれくれ集団の働かない人を増やしインフレを招く 新型コロナ収束後の需要喚起策に、GoToキャンペーンが検討されている。この政策の対象者は、旅行や飲食の利用客、コンサートやイベントのチケット購入者、商店街の行事や販売促進などである。かれらに、チケットクーポンやポイントを付与したり、補助金を支給する。 これがまた、例によって批判を浴びている。もっとも批判しているのは、条件反射...
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ビジネスモデル構築
アフタコロナの産業社会をどう作り出すかの知恵が求められている いま、ものづくり補助金の一般公募(8月3日締切)と並行して、「ビジネスモデル構築型」の公募も行っている。 この事業の目的は「民間サービスとして継続的に中小企業のビジネスモデル構築・事業計画策定を支援する、拡張可能な先駆的プログラムの立ち上げを後押し、中小企業が持続的に経営革新に取り組んでいける、イノベーション・エコシステムを構築する。」...
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補助金の募集方法
募集頻度が5回に増えたことで、審査期間が短縮され投資が迅速に行えるようになった 経産省の、ものづくり補助金と小規模企業持続化補助金の公募が始まっている。 これまでと大きく変わったのは、募集回数が大きく増えたことである。昨年までは、3~5月ごろに大きな募集が一度あった。そこで予算が余れば、年度末ごろにひっそりと募集を行っていた。 したがって、最初の公募期間が2~3か月あり、締め切りから採択まで、さらに2...
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緊急経済対策
現金給付より、無差別緊急融資こそが最大の経済対策 借金は返す必要があるからしない、という余裕ある人に支援は無用 政府の経済対策の概要が、明らかになった。 総額60兆円規模で、直接の配布は20兆円。30万円の現金支給などが含まれる。残り40兆円は企業融資などで、いわゆる「真水」ではない。 予想通り、ありとあらゆる人から非難が浴びせられている。 とくに、直接の関心事である30万円配布には、多方面から疑...
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和牛券とお魚券
需要喚起のため特定の産業を応援するのは悪いことではない 突飛なアイデアを否定するのでなく、育てれば卓越した発想になる こんどの経済対策で、自民党族議員から和牛券とお魚券の提案があった。なぜかマスコミに評判が悪く、立ち消えになったようである。特定の業界だけ優遇することと、コロナ不況で四苦八苦している他の産業には、何のメリットもないからである。 またウィルス感染を恐れ、買い物にも行けずに、閉じこも...
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ものづくり補助金②
自分でメンテナンスできない化石のようなシステムをつくらないことである ものづくり補助事業が採択された場合、その恩恵を享受するのはだれか。 もちろんまずは、補助事業を計画して採択された企業である。1500万円の設備なら、1000万円(750万円)の補助金が出る。自己資金500万円(750万円)で、1500万円の機械が買える。 つぎに直接お金が入るのは、補助金を払って購入する設備のメーカーである。面倒な申請書をつくった...
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ものづくり補助金①
社長が革新を自覚していなければ、ピント外れの提案~事業計画になってしまう 今年も、ものづくり補助金の募集が始まった。購入設備代金の1/2、または2/3(小規模企業)、最高1000万円まで補助金が支給される。こんどは来年の2月まで、閉め切りが5段階に分かれており、申請企業にとって使い勝手がいい。 私も何度か企業に対して、申請書作成の支援を行った。経営者へのヒアリングとアドバイスで、新事業の中身を、申請書という...
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企業規模と生産性②
中堅以上のメリットを小規模の企業が取り入れることは難しいが、逆は可能である 前回①で取り上げたように、デービットアトキンソン氏は、「中小企業の生産性向上のためには、規模の拡大が必要である」と主張している。規模さえ拡大すればおのずと生産性は向上し、高賃金を払えるためさらに会社は大きくなるという。 ただ、ものごとはそれほど簡単ではない。 業種・業態、あるいは個別の事情によって、状況は大きく異なる。単...
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企業規模と生産性①
事業承継の支援では、身内への承継より合併を推進すべきである いま日本では、企業数の減少幅が加速している。1999年に485万者あった日本の企業数は、2016年には360万者まで26%も激減した。ほとんどが小規模事業者で、中堅企業の減少割合は10%程度である。ここ数年の減少割合が大きいのは、団塊世代の事業主が引退の時期に入ったからであろう。 そこで政府は、事業の継続が困難な事業者に対し、あの手この手の支援策を施し...
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日本の法制度
複雑な法規制のため起業者は2の足を踏んでしまう。日本が停滞する大きな要因である 消費増税がはじまり、3か月経過した。増税だけで重圧なのに、軽減税率が取り込まれたことで、混乱に拍車がかかる。厳密に適用すると、とんでもない負担が発生する。ただでさえ、複雑な税制がいっそうややこしくなった。 こんなつまらないことに、頭脳明晰な会計士が振り回されるから、優秀な人材が枯渇するのである。 もちろん企業を経営する...
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BCP計画策定セミナー
お役人は、法律や制度が、名前だけ代えてゾンビ復活することを当然と思っている 先日、BCP(事業継続計画)セミナー(福井商工会議所主催)を聴いた。講師は大藤氏(東京海上日動コンサルティング㈱)。定員40名とあったが、聴講生はざっと70名。近年の災害悲惨さを見て危機意識が高まったことと、「事業継続力計画」という紛らわしい名前の計画作成を、経産省が推薦しているからではないか。この計画書を提出すれば、ものづく...
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事業を承継する
どんなつまらない仕事でも、お金が動けば世の中は活性する 全国の中小企業の2/3は、社長の後継者が決まっていない。引退が近い60歳代になっても、半数の経営者は後継者不在だという。これでは、政府がいくら事業承継支援策をとっても、焼け石に水である。まもなく日本の中小企業が激減する。企業が少なくなれば、有形・無形の資源が消滅し、生産活動できなくなる。日本の経済が縮小する。 急激な高齢化と人口減少の日本では...
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ものづくり補助金採択
重要なのは、ほんとうに革新的な事業を行える、具体的計画となっていること 先日、30年度補正ものづくり補助金2次募集の採択発表があり、福井県では17社が採択された。この年度は、1次・2次募集をあわせ、私が支援した企業すべて採択された。(関与の度合いがあるが)こんなことは初めてである。 じつは今回支援したある企業からは、締切前々日の夕方に依頼され、突貫工事で申請した。申請のための中小機構サイトへの登録から...
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インボイス制度
「上に政策あれば、下に対策あり」、これを機会に新しい事業のしくみを考えたい 2023年(令和5年)10月から、インボイス制度がはじまる。つまり、課税事業者が消費税を治める場合、仕入れのとき支払った消費税を差し引くためには、仕入れ業者の発行する「適格請求書」つまりインボイスを受け取り、保管する必要がある。そうしないと、売上のときお客から預かった消費税(10%)を、そのまま治めなければならない。 問題なのは...
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更新研修
国や自治体の施策に踊らされ余計なことを始めると痛い目に合う 7日の診断士更新研修は、IT・IOT特集であった。さすがにこの年になって、4時間もの受講はしんどい。小中高生は、よく毎日5~6時間も授業を受けていると思う。 講習内容は、県職員の中小企業の施策紹介のあと、RPA(ロボテック・プロセス・オートメーション)、小規模店舗のIT化(というよりデータを重視した経営)、漆器店の遠隔調理サービスの説明であった。一番...
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ものづくり補助金2
公募期間は、8月中旬~9月中旬で、採択は10月下旬に発表される予定 今月まもなく、30年度補正ものづくり補助金の2次募集がはじまる。 こんど大きく変わったのは、受付を電子申請に完全移行したことである。これまでは、15~20ページの申請書を作成し、それを片面で6部もコピーし、しかも表紙付きのファイル綴じしてタイトルや企業名などを書き、封印郵送するなど、面倒な作業をしなければならなかった。丁寧にすれば半日かか...