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ゴーン氏逮捕の行方

 高所得者は、高額で最高レベルの弁護士を雇って屁理屈を並べ、無罪も買収する

 ゴーン氏の逮捕容疑は、いまのところ「有価証券報告書偽造記載」というものである。これに加え顧問料や海外別宅などの私的流用など、チマチマと出てくる。これがどの程度の法律違反なのかは未だ明確でない。政府、検察、会社の一部役員の三者によって相当な期間証拠固めと戦略が練られたようだ。だが、元検事など法律学者があれこれ言っているところをみると、ぎりぎりなのであろう。

 そこでこの逮捕は、フランスルノー社との派遣争いであるとの見方が、一般的になってきた。20年前にルノーに救われた日産が、こんどは逆の立場になっている。いまのままでは、ケツの毛まで毟られる。ルノーに吸収され、高度な充電技術が中国に流れるという話もある。日本で生まれた企業が欧米に乗っ取られるのは、植民地支配されるようで歯痒い。
 日産は純国産企業として立て直してほしい。日産がフランス企業になるというのは、日本人として面白くない。

               罰ゲーム

 さらに誤解を恐れず書けば、ゴーン氏による日産の再建は、単なる利益の付け替えであった。社会全体として、それほど価値を増やしたわけではない。日産に繋がる数多くの企業や人々の利益を、狙ったところに集中させるテクニックである。それはそれで刮目すべき才能であるが、少数の金持ちと大多数の貧乏人を生み出すことになった。現にこのあたりから、日本人の自殺者が3万人の大台に乗っている。

 今回の事案が違法かどうかは関係ない(どうせ金持ちが作った金持ちのための法律である)。ゴーン氏は日本から去ってほしい。彼に限らず高額な報酬を得ている人はすべて、所得の低い人々に入るはずの利益を搾取している。そのうえ高所得者は、破格の費用で最高レベルのヤメ検弁護士を雇うことができる。今回も、先輩検事が現場の後輩検事に屁理屈を並べることで、無罪になる可能性を高めている。


 むろんこれは、いくら頑張っても億単位の報酬など期待できない労働者、失業そして死に追いやられた人々の負け犬の遠吠えである。幽界も一団となった、怨念の力を見くびってはいけない。理不尽なのは百も承知である。現世で巨額マネーを稼いだ人の末路は、地獄の釜の中である、と思いたい。
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倒産する企業

 再生した企業もいずれ倒産するし、いい加減な会社でも生き残る場合がある

 社会人として産業界に入って50年近くなる。これまで数多くの企業に携わってきた。20年前経営コンサルタントとなってから、地元を中心に数千社の企業を診てきた。
 これほど長く企業に関わっていると、いつの間にかなくなる企業が多い。倒産、廃業いずれも、経営状況が思わしくないからである。「私の関わった企業は消滅する」というジンクスをもっている(こんなことばかり書くから、仕事が来ないのである)。


 これら企業の再生案件では、たいてい不良債権と過大負債を抱えている。しかも赤字体質である。業界の構造不況などで、多少の収益改善では膨大な負債を解消することは難しい。返済条件の変更はあっても、債務免除はめったにない。したがって、事業内容が好転したとしても、債務が正常範囲に戻るには長い期間が必要である。再生支援を求めるような企業は、構造不況業界で青息吐息の会社が多く、一時的に立ち直ってもまた躓く。
 したがって、数年後にリスケジュール(債務繰り延べ)が終了した時点で、ゲームオーバーになることが多い。単なる延命である。

              金が飛んでいく

 一方で、起業再生で実績のある清水直弁護士の再生実話「企業再生」を見ると、ほとんどすべて債務や不採算部門の切り捨てである。じつはこれも簡単ではない。債務には必ず債権者がいるし(当たり前)、不採算部門にも生活のかかった従業員がいる。
 だから、関係者との交渉ごとは、切った貼ったの真剣勝負である。これには法律知識と度胸がいる。必ず相手の嫌がることをしなければならない。

 そこまでやっても、すべての企業が再生できるわけではない。利益を生むしくみ、ビジネスモデルができていなければ、やはり元の木阿弥である。そもそも再生に至る前の段階で、事業が破たんしている。だからすべての人がWIN-WINになることは難しい。


 不思議なのはたまに、「こんないい加減な会社」、と思うようなところが、大儲けして生き残っていることである。まだまだ私の知らない怪しい闇の仕組みが、世の中にはたくさんある。私のような清貧主義の正攻法では、とても解析できない。それを見つけ、実践できる人こそ、マンモスなのである。

零細企業の赤字解消②(7月21日)

 赤字企業の多くは、経営者がいやな仕事から逃げている

 赤字企業の多くは、経営者がいやな仕事から逃げている。1日15時間仕事したとしても、ぬくぬくした仕事ではダメである。これまで逃げ回っていた、「いやな仕事」をやる。

 たとえば

1.厭な仕事を受ける
 安い仕事、短納期の仕事、未経験の仕事、汚い仕事、特殊品、少量品など、不況時でもいやな仕事の引き合いはある。普段なら受けたくない仕事でも、積極的に受けてみる。これらの仕事を得意分野にすることもある。

2.嫌いな顧客を訪問する
 儲けさせてはくれるが、口うるさいお客がいる。つい遠ざかり、そのうち疎遠になったらおしまいである。そこを訪問し、自社の問題点や苦情を聞くことによって、顧客との信頼関係が生まれる。
 居心地のいいお客のところばかり行ってはいけない。口うるさい得意先を大切にすることである。

3.いやな社員と話す
 何かと反抗的な社員、古参の気難しい社員、これらの社員とは目も合わせたくない。
 それでは、仕事がうまくいくはずがない。1日1時間、じっくりと話し合ってみよう。場合によっては、決別もいい。

 いやな仕事は、同業他社にとっても同じである。いやなことを1歩先んじてやることが、大きな差別化になる。

 それでも赤字なら、ほんものである(そのまえに、病気になる)。
 そこで、経営コンサルタントの出番となる。

零細企業の赤字解消①(7月20日)

 赤字企業の半分以上は、経営者が働いていない。まず1日15時間働く

 中小企業の80%は赤字である。といってもかなりの割合で、「意図的」に赤字にしている。「節税」のためである。役員報酬を高くするのはいいとして、生活費・遊行費の一部を経費にする。赤字にするのは簡単だ。

 その中で、ほんものの赤字企業もいる。役員報酬はなく、年金生活。売上の2倍以上の借り入れがあり、会社を畳みたくてもできない。

 そんな会社はどうするか。
 ぐずぐず言っても始まらない。そんな会社の半分以上は、経営者が働いていない。ダラダラやっただけで儲かるはずがない。
 まず一所懸命働くことである。1日15時間、これで半年働いてみる。

 ワタミが「365日24時間、死ぬまで働け」といって、ブラック企業扱いされた。でも、経営者はいくら働いてもブラックではない。

 当たり前であるが、15時間何をやってもいいわけではない。何をやるか(次回②)が問題である。

あのDELLが!(11月5日)

 DELL全体が、ユーザー目線ではなかったが、経営者の頭さえ切り替われば、再び世界を席巻する時代が訪れる

≪米パソコン大手デル<DELL.O>は、創業者マイケル・デル最高経営責任者(CEO)らによるマネジメントバイアウト(MBO)の成立を受け、29日の株式市場の取引終了をもって上場を廃止する。
1984年設立のデルは一時は世界最大のパソコンメーカーとして君臨。株価は2000年に50ドルを超えた。ただ近年は消費者の嗜好がタブレット端末やスマートフォン(多機能携帯電話、スマホ)などに移ったことで、パソコンメーカー各社は苦戦しており、マイケル・デル氏はMBOを通して非公開化することで経営再建を急ぐ。 10月30日ロイターより≫

 10年ほど前まで、DELLのビジネスモデルは、ものづくり企業の模範であった。世界中から、パソコンのあらゆる注文を受け、世界中でその部品製造に最適なところに注文する。それを集め、これも世界中で最適な地域で組立て、発注者に送付する。その、受注~発注~加工~組立て~発送までの全プロセスを、きわめて効率的に中央制御するビジネスモデルである。
 その結果、ユーザー仕様に合わせた最適な製品を、格安で販売することができた。私自身が行う経営研修にも、典型的なものづくり成功事例として使わせてもらったことがあった。
 しかし、10年前の王者も、スマホが跋扈するコンピュータ業界の環境変化には、ついていけなかったのである。

 そしてこの環境変化より、もっと重要な要因がある。
 私自身が15年ほど前に、DELLのパソコンを購入したとき、あまりのアフタサービスの悪さに、辟易したことがある。問い合わせの電話をかけても、何回もたらい回しされたあげく(それも録音音声で)、2時間近く、誰も出てこないことがあった。(それ以来、DELL製品の購入はやめた。)
 同じような不満の声は、あちこちで聞いた。

 つまりDELL全体が、企業の遺伝子として、ユーザー目線ではなかったのではないか。あくまでも、効率追求、生産優先、つまりプロダクトアウトが、しみついていたのだと思わざるを得ない。いくら、格安でそれなりの製品を提供しても、顧客、ユーザーにそっぽを向かれたら、企業はおしまいである。
 プロダクトアウトの企業では、ユーザーの声を真摯に受け止めようとしない。それが、製品そのものの時代遅れにつながり、今回の結果につながったとも言える。
 これは、私個人のあとづけの理屈ではある。

 それでも、まだDELLがなくなったわけではない。まだまだ有形無形の、ばく大な資産を保有しているはずだ。経営者の頭さえ切り替われば、そのたぐいまれな行動力で、再び世界を席巻する時代が訪れるであろう。

事例・資金難の企業②(6月27日)

 関連記事(事例①)
 http://abegorou.blog.fc2.com/blog-entry-177.html

 経営者と従業員の間のコミュニケーション不足が、異常を増幅させていく

 先日(事例①)の建設業者が、資金繰り困難に至ったおもな要因は、次のとおりであった。

1.不採算部門の放置
 売上高の1/4を占めていたある工事業務が大幅赤字であった。調べてみると、この工事1件当たりの赤字割合は、受注金額の2~30%にも及んでいた。すなわち赤字のほとんどは、この工事業務の不採算によるものと考えられた。

2.工事ごとの採算性把握のしくみがなかった
 前項に至った原因は、工事ごとに採算性を計算、把握するしくみがなかったためである。一応、工事ごとの予定は立てていたが、予算と実績を明確にし、それを管理部門に報告する体制が整っていなかった。そのため赤字部門が、長期にわたって放置されてしまったのである。

3.経営部門と工事部門とのコミュニケーション不足
 現場で実際に作業している人は、その業務の不採算性は、以前から実感していたはずである。しかし、前項に示したような採算性を把握する仕組みがないことに加え、異常事態を経営者に報告できるような、日頃のコミュニケーションが不足していたのではないか。


 改善策は、上記要因の裏返しである。

1.不採算工事部門の廃止
 この工事業務を廃止または外注することによって、不採算の工事がなくなる。そのための顧客との情報交換、採算性のある工事の受注、適切な外注先の選定・育成を行う必要がある。

 ただ、それだけでは再発防止にはならない。そこで、

2.工事ごとの採算性を把握する
 工事ごとの予算と実績を把握する計算書を作成し、工事ごとの実態を明確にする。この内容は、工事ごとに担当者にフィードバックし、一人ひとりの自覚を高め、改善につなげていく。

 そして、この仕組みを定着させるためには、次のことが必要である。

3.経営部門と工事部門とのコミュニケーション改善
 上記のフィードバックを含め、定期的なミーティングを行う。また、経営者の経営に対する方針やビジョン、経営改善計画などを文書化し、現業部門が理解できるように説明する。つまり、会社全体でのコミュニケーションレベルを、もっと上げる必要がある。


 本腰を入れてこれらを行うためには、経営者が事業に専念できるようにしなければならない。そのためには、支払いの優先順位を考慮しながら、事業そのものに資金が使えるようにしたい。従業員の給与、仕入れ先への支払いが滞るようでは、まともな経営ができるはずがないのである。

事例・資金難の企業①(6月26日)

 取引先や従業員への支払いを最優先にしなければ、事業の継続は難しい

 ある建設業。資金繰りが苦しく、どうしたらよいかという相談であった。
 この会社は、苦しい中でも金融機関に対する元利金の支払いだけは、滞らないようにしていた。これが滞ると、金融機関から資金調達ができなくなるからだ。つぎに配慮していたのが、リースなど設備に対する資金で、これがないと仕事ができなくなる。そして、優先順位が最後になっていたのが、仕入れ先に対する支払いであった。
 
 当社のような真面目な経営者ほど、この支払順にこだわる。したがって、銀行の長期借入金は減少しているのだが、仕入れ先の支払いが滞り、買掛金が増えている。
 しかしそうなると、仕入れ先に対して納期や価格面での交渉ができなくなる。市価より相当高い価格で仕入れすることもある。支払条件が悪いので、また支払いができなくなる。仕入れ先からの督促が増え、経営者はまともな仕事ができない。ますます収益が悪化していく。
 これでは悪循環である。

 相談を受けた会社も、この典型であった。まず、この悪循環を断つ必要がある。
 では、どうすればいいのか。

 支払いの優先順位を反対にすればいいのである。

 一般に、事業を継続するうえで、支払を優先すべき順番は、次のとおりである。
1.手形支払い
 これがストップすると、銀行取引停止になり、事業継続ができなくなる。
2.従業員の給与
 これが滞ると社員の士気が低下し、優秀な社員が辞めていく。
3.仕入れ先への支払い
 信用不安によって、仕入れできなくなる恐れがある。また、有利な仕入れができなくなり、結果的に、さらに収益性が悪化する。
4.経費や税金
 多少は後回しでも、仕方がない。ただし社会保険料や税金は、破産した場合の支払い優先度が高いので、注意が必要。
5.金融機関への返済
 資金繰りが厳しくなったときは、銀行などの金融機関へ、毎月の元金返済を半年~1年ほど猶予してもらうように、リスケジュールを依頼する。

 すなわち、金融機関への返済など、最後の最後でいいのである。
 この会社の場合も、金融機関への支払い猶予ができれば、資金繰りはかなり改善できる。仕入れ先からの督促など、心理的な重圧も減る。(本来なら、普段から金融機関とのコミュニケーションを深めておくことが必要であった。)

 もちろんこれで安心してはいけない。返済が無くなっても、この間に、「どうしたら売り上げを伸ばせるのか」、「コストダウンができるのか」など、利益に結び付く改善策を考える必要がある。この本質的な経営改善が進まなければ、事態はさらに悪化するだけである。
                                              つづく

倒産における危機管理(6月25日)

 企業は常に倒産の危機に面している。絶対大丈夫な企業など、一つもない

 中小企業は常に倒産と背中合わせである。そして経営者のほとんどは、プレーイングマネジャーで、たいてい現場の第一線プレイヤーとして、営業や製造、企画の仕事を行なっている。しかも、相当の力量を発揮している。しかしながら、会社が資金不足に落ち込み、経営者が資金繰りに走るようになると、もういけない。そのことによって、ますます業績が悪化する。会社の稼ぎ頭が、稼ぐ業務から遠ざかるわけだから当然だ。皮肉なことに、資金繰りに窮している経営者ほど、手形や小切手、金利などの金融に精通していることが多い。

 そのうち、従業員の給料や、支払い、返済などで切羽詰ってくると、経営者は冷静さを失う。たちの悪い金融から融資を受けたり、融通手形を発行したりする事もしばしばである。無理にお金を調達しようとして、ますます悪い方向へ進む。そういう時周りは、経営者が愚かだという。だが、そういう行動をとる経営者の気持ちがわからなければ、倒産というものを理解することはできない。破産や民事再生など、法的処理に向かえるだけでも、まだましなのだ。

 このような泥沼に取り込まれないようにするのが、倒産時の危機管理である。そして、倒産の危機に直面した時には、客観的な判断ができる人に、早めに相談することが大切である。多くの場合、最後のがんばりで連帯保証人を増やしてしまったり、金融機関にだまされたりして、必要以上に債務を膨らませてしまう。

 倒産時における危機管理のポイントを挙げる。
 ・まず、企業倒産、再生について詳しい人や組織に相談する。(商工会、再生支援協議会など)
 ・つぎに、倒産に詳しい弁護士に相談する。(順番を間違えてはいけない)
 ・債務の連帯保証状況、個人資産の保証債務・担保状況を調べ、対策を考える。
 ・従業員の給与を確保する。
 ・再生のため、金融資産以外の資産を把握する。